ハイテク株が下落傾向に歯止めをかけるのはいつですか?

2021 年 3 月 31 日

2021年2月中旬以降、テクノロジーセクターの株価は下落を続けました。テクノロジーを多用するベンチマークであるNasdaq-100は、1000ポイント以上の低下を記録しました。これは米国財務省の利回りの急上昇に連携されたと思われます。大規模な経済刺激策の下では、ワクチンの普及とともにCovid-19を抑制することが可能になったため、米国経済の回復が加速することに対して、国民は楽観的であり、資産市場の収益率やインフレ率の上昇を予想していました。市場の安全資産に対する需要は減少し、投資家は資産を国債から切り換えたため、これにより、利回りが急上昇する一方で価格が急落しました。2月末には、米国財務省の10年間の利回りが1.5%と過去1年間で最高を記録し、市場における資産の再配分に影響を及ぼしました。

資産市場は、特にテクノロジーセクターの利回りに非常に敏感です。一般的に、価格の動きは利回りの変動と負の相関関係があります。2020年11月以降、米国財務省の利回りは低水準に留まり、技術的な強気相場が続き、ナスダック100は13800ポイントまで上昇しました。その後、Nasdaq-100は、財務省の利回りが半月以内に急上昇したときに、約7%の大幅な下落を記録しました。

ハイテク株は過去半年間で好業績を上げたセクターの1つであるため、基本面はいいパフォーマンスになります。市場においては、不安定なキャッシュフローに直面しており、早期に利益を得ることができず、無形資産や将来の潜在価値を正確に算出することができないため、従来の技術関連株の評価方法は相応しくないと考えらます。外国投資機関は、主にリスクフリーレートと配当成長率を参考にして、将来の見通しを立てていますので、ヘッジ関係と考えられます。市場は、リスクフリー金利とインフレ率が上昇し、その後に利回りが急上昇すると予想します。配当成長率が安定している場合、またはリスクフリー金利が配当成長率よりも速く上昇している場合、その評価は押し下げられる可能性があります。

現在、米国の10年債利回りはCovid-19以前の水準に達しています。しかし、現在の経済情勢、失業率、消費者信頼感指数などと比較すると、2つの期間の間にはまだ大きなギャップがあります。実際の経済が高い財務省の利回りをサポートできない場合、または利回りを押し上げるになりますと、短期的には段階的な調整が行われる可能性があります。一方、米国の既存の巨額の債務に加えて、政府はその経済刺激策に財政的支援を提供するために大規模な国債を発行する必要があります。「主要な買い手」である連邦準備制度理事会(FRB)は、国債をより高い価格とより低い利回りで維持しようとし、利回りの急激な上昇を抑える可能性があると考えられています。